「日本で一番有名な会社員は誰?」と聞かれたら、
あなたは誰を思い浮かべますか?
TV局に在籍しているアナウンサーや、
大企業の社長さんの名前を挙げる人も多いでしょう。
私ならこの質問に「島耕作」と答えます!
島耕作とは一人の会社員の人生を描いた
【〇〇 島耕作】という漫画作品の主人公です。
ちなみに○○の部分には現在の役職が入ります。
今回はこの島耕作シリーズを生み出した
弘兼憲史先生にスポットを当てます。
個人的には中高年を主人公とした作品を描かせたら、
弘兼憲史先生以上に現実的で共感できる作品を描ける漫画家先生は、
ほかにいなんじゃないかと思っています。
でも案外「島耕作」という名前は知ってるけど、
作者の弘兼憲史先生のことを知らないという人も多いんです。
他にも島耕作シリーズ以外の作品を知らないという人達に、
弘兼憲史先生の発表しているおススメの名作を、
紹介しちゃいますよ。
そして近年、
弘兼憲史先生にはチラホラ・・・
「離婚の危機か?」
といった不穏な噂が流れているようなので、
その点にも注目してみようと思います。
それでは、
弘兼憲史先生のプロフィールとおススメ作品、
気になる噂の真相について、
チェックしてみましょう♪
(主な内容)
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弘兼憲史 プロフィール
弘兼憲史 プロフィール | |
ペンネーム | 弘兼憲史 (ひろかねけんし) |
本名 | 弘兼憲史 (ひろかねけんし) |
生年月日 | 1947年9月9日 |
血液型 | ― |
身長 | ― |
学歴 |
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出身 | 山口県岩国市 |
デビュー作 | 風薫る (1974年「ビッグコミック」) |
主な作品 |
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受賞歴 |
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元アシスタント | のむらしんぼ、唐沢なをき、柴門ふみ、山本英夫、吉原昌宏 |
備考 |
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※2017年8月現在
プロフィールを見る限り、
学生時代から学業優秀だったことが
窺えますね、なんとも羨ましい!
それにしても、
大学時代に知り合った漫研仲間が、
かわぐちかいじ先生と西岸良平先生とは驚きです。
この世代の漫画家さんは高学歴で、
有名私立大学を卒業している方が多いんですよね。
団塊世代はそれだけ、
日本を再興するために努力し続けたし、
ハングリー精神が強かったということでしょうね。
見習わねばっ!
それよりも驚いたのが、
【島耕作シリーズ】で長いこと会社員を描いますが、
弘兼憲史先生自身が、
10年ほど会社員を務めていたのかと思いきや、
松下電器産業(現・パナソニック)で勤務していたのは、
3年3か月ほどだったということです。
3年というとやっと仕事も覚えて、
これから会社の戦力として、
独り立ちし始める程度の頃合いです。
ただでさえ一流企業で働いていたのに、
途中で漫画の道に足を突っ込むという、
その決断ができること自体が凄いですね。
決断する時の決め手となったのが、
弘兼憲史先生の独自の判断基準で
『人生のその時々で「楽しさ」を追及する』
というもの。
「楽しい」を仕事にして、
それで一流として認められるほどに成功しているのだから、
漫画家の道こそが、
弘兼憲史先生の天職だったんでしょうね。
退職後の翌年には、
デビュー作【風薫る】が初めて掲載されますが、
デビュー後、
5~6年ほどは原作者つきの作品を2作ほど発表するも、
ヒットとまでは至らなかったようです。
しかし、
80年代に入ってから原作者つきの作品ですが、
【人間交差点】がヒットします。
この作品には当時の世相が反映されていて、
物語の中でつづられている、
人物同士のやりとりも悲喜こもごもで、
共感を呼ぶものでした。
筆者もこの作品は大好きです。
この作品を好きになったきっかけは、
「適当男」として人気の高田純次さんが、
好きな漫画として挙げていたからでした。
高田純次さんは、著書で【人間交差点】について、
下記のような名言も残しています。
良いアニメを作るには『人間交差点』からパクれ
出典:適当教典 (河出文庫)より抜粋
うん!的確な名言ですねw
【人間交差点】のヒット後は、
【ハロー張りネズミ】【課長島耕作】と、
代表作を連発します。
ハロー張りネズミ1巻【電子書籍】[ 弘兼憲史 ]
【ハロー張りネズミ】は、
「あかつか探偵事務所」のメンバーが、
数々の事件を解決するという、
探偵物語です。
そして事件といっても、
SFチックなものからオカルトものもあります。
ちなみに登場人物の一人の通称「グレさん」こと、
木暮久作は、
【島耕作シリーズ】でも、
島耕作の友人として活躍しています。
「グレさん」の活躍がもっと見たいという人は、
両方の作品を読むといいですよ。
そして90年代に入ると、
弘兼憲史先生も漫画家として、
安定した人気を着実に得ていきます。
その頃の代表作のひとつ、
【加治隆介の議】では、
有名な政治家の息子である加治隆介が、
父と兄の急死により、
一介のサラリーマンから政治家に転身して、
内閣総理大臣への道を歩んでいく物語です。
このようにあらすじを簡単に書くと、
あっという間に内閣総理大臣になるみたいですが、
その道は非常に険しいもので、
一番最初の議員選挙の時点で苦戦します。
とにかく!
政治と聞くと難しいと感じる人にこそ、
読んでほしい作品です。
政治といっても人間がやることなので、
人間同士グループを作って、
各党や派閥同士で足を引っ張りあったり、
人間関係でできているんだということがわかりますよ。
これ以外にも、
90年代に連載を開始した代表作といえば、
【黄昏流星群】を忘れてはいけません。
「恋愛もの」と聞くと皆さんは、
10代の甘酸っぱい青春時代や、
20代の性と結婚を意識した現実的だけど
少しロマンを感じるような恋愛を想像しませんか?
たしかにこの作品は恋愛ものでも、
そんな幼稚な恋愛ものではありません。
【黄昏流星群】で描かれる恋愛とは、
40代以降の中年や老年といわれる人々の、
自分のこの先の人生を見据えながらも、
ふと思い出して蘇る恋慕の思いを噛みしめるかのような物語で、
「じわーぁっ」と後から沁みてきます。
たしかにキラキラとトキメキこそしないが、
鈍く輝く情念とも呼べるような「愛」が描かれています。
ショートストーリー形式なので、
比較的読みやすいですよ。
ざっと弘兼憲史先生のプロフィールと、
作品の一覧を紹介してみましたが、
そんな弘兼憲史先生の結婚や嫁・・・
気になりますよね。
弘兼憲史の妻・柴門ふみとは離婚の危機なの?
実は弘兼憲史先生。
「離婚の危機」といった噂が出ているらしく?
こういったことから、
当然ですが・・・結婚はされています。
弘兼憲史先生の妻は、
元アシスタントだった柴門ふみ先生で、
お子さんも男女1名ずついます。
ちなみにお子さんは、
2人とも既に成人しています。
今では噂が出てしまって大変ですが、
噂が出る以前には吉祥寺に自宅を建てています。
それも夫婦それぞれのこだわりを詰め込んでいるようで、
妻の柴門先生が家、
弘兼先生が庭に対して、
それぞれの要望を出して作り上げたとのことです。
弘兼憲史先生の自慢の庭には、
現代アートのようなオブジェを中心に、
季節を感じることのできる草木が配置されているとのこと。
一度見てみたいですね^^
きっと洗練された庭なんでしょうね!
しかし。
そんな風に一緒に家を作っていながらも、
「離婚の危機」なんて噂されており、
現状ではまだ離婚はしていないものの、
現在は別居状態が続いるらしいのです。
そもそもこの噂の発端となったのは、
2015年に妻である柴門ふみ先生が、
女性誌のインタビューで、
夫である弘兼憲史先生との夫婦関係について、
(結婚したものの)
「こんなはずではなかった」
というようなことが書いており、
またこのコメントに至るまでには、
- 弘兼先生の浮気
- 弘兼先生の育児に対しての無関心
- 弘兼先生の自分の親への介護放棄
- 家族よりも仕事を優先のため家族サービスの欠如
といった点が、
柴門ふみ先生が今までため込んできた、
弘兼憲史先生への不満のようです。
しかしこれはあくまでも、
柴門ふみ先生側の一方的な主張だし、
家庭の問題なので、
事実かどうかの真偽はわかりません。
それでも、
弘兼先生はこの件については
一切コメントをしていません。
その理由としては、
弘兼憲史先生自身があながち否定できないため、
コメントを控えているのかもしれませんね。
だとしたら、
柴門ふみ先生の主張されている点を、
弘兼憲史先生が故意に行っていたとしても、
「自分に非がある」と認めているのだから、
その点に関しては男らしいと個人的には思います。
たしかに女性からしたら、
家族を大切にしてくれない時点で、
不満爆発ですよね。
でも糧を得るために、
身を粉にして働くことに専念している弘兼先生は、
男としての魅力にあふれているのは間違いありません。
自然界で見ても、
一人の「雄(オス)」としては非常に優秀です。
弘兼憲史先生の、
「家族を犠牲にしてでも仕事に専念して自己実現する」
というスタンスは、
【島耕作シリーズ】でも色濃く表れています。
作品内でも、
島耕作・中沢喜一・樫村健三など、
仕事のできるキャラクターは家族を犠牲にして
エゴを貫いている人物が多いことからも読み取れるでしょう。
筆者は個人的に弘兼憲史先生のこのスタンスを、
間違っているとは思っていませんが、
「育メン」や「主夫」などといった言葉が生まれる現代では、
こういったスタンスの男性は女性を中心に、
世間から反感を買いやすい傾向がある気がするので、
これは難しいところです・・・
ということで、
つい長くなってしまいましたが、
とにかく家庭の問題なので、
いち読者があーだこーだいうことではありませんが^^;
もし記事にあるようなことが本当で、
そしてお互いの間に溝があるのなら、
少しでもその溝が埋まればいいなあと思います。
それでは!次は弘兼先生のおススメ作品について、
一緒に見ていきましょう♪
弘兼憲史おススメ作品!
上の方でも弘兼憲史先生の作品一覧を紹介しましたが、
ここでは筆者の個人的なおススメ作品を2作品紹介します。
まずひとつめが、
【人間交差点】です。
人間交差点(1) (ビッグコミックス)
この作品はショートストーリー形式で、
決まった登場人物などは登場しません。
その代わり、各物語ごとに、
いろんな人の人生を垣間見ることができます。
そしてこの作品は、
人情話もあれば、
泣ける話・心が温まる話もありますが、
それだけでなく、
殺人犯の懺悔の話や自殺志願者の話などといった、
最後まで救いがないといったような話もいくつかあります。
人間の数だけそれぞれ物語が生まれる。
そしてその物語は出会った人間や、
その人の選択した行為によって様々な結末を迎える・・・
なんだかんだ言っても人は他人に影響されるもので、
どんな人でも、
一人では生きていけないということを気づかせてくれる作品です。
筆者の敬愛する高田純次さんが推している漫画だけあって、
深~い作品ですw
ふたつめのおススメ作品は、
もちろん【島耕作シリーズ】です。
課長 島耕作1巻【電子書籍】[ 弘兼憲史 ]
【島耕作シリーズ】とはいっても、
各役職ごとに島耕作の人柄が、
ほんのちょっとずつですが変化しているので、
その点も非常に楽しめるんですよね。
筆者は、
ヤングから役職が一つずつ高くなるように、
読み進めました。
ヤング→係長→課長→部長→取締役→常務→専務→社長→会長
どんどん昇格していくという順番で読み進めました。
ここからはいくつか個人的に、
印象に残っているエピソードを紹介します。
ヤング編ではどうってことないシーンなのですが、
里帰りした耕作が父親の車で、
見合い相手と車の中でHしてしまい、
父親が車の中の残り香に気づいて、
耕作の頭を軽く小突くシーンが非常に印象深いです。
耕作の若さと父の息子の成長を喜びつつも、
ちょっとだけ注意するような感じが、
いい親子だなぁ・・・と、
ニンマリしちゃいますw
係長編では指導していた生意気な後輩が転職して、
デザイナーとして成功。
その頃耕作はそろそろ車を購入しようとするが、
とある中古車に一目ぼれする。
しかし目を付けた車の元オーナーは、
デザイナーとして成功している後輩だったいう、
ちょっと複雑な気持ちになる話も印象に残っています。
この話も実際にありそうな話なので、
読んだときはうなってしまいました。
課長編ではVHSとベータの話で、
VHSの勝利の理由や経緯、
そして販売店の営業の話などは実際にあった話なだけに、
非常に面白かったし、
ためになりましたね!
部長篇では、
社長に就任した中沢さんの愛人との間にできた隠し子で、
ボクシングの世界チャンピオン香坂裕次を、
短い間だが中沢さんと対面させるシーンがぐっと来ました。
役職はだいぶ飛ぶけど、
会長編での日本の農業は遅れていることを取り上げたのは、
とても勉強になりました。
たしかに、
日本ではまだ農業に対して、
汚れるし田舎って感じのイメージで、
若者離れが深刻ですが、
オランダやドイツなど海外では農業が、
ハイテクで若者たちに注目を浴び始めているという違いに、
驚かされました。
他にも、
三郎丸千鶴の肝の据わった啖呵を切るシーンや、
謝萌(のちに万亀萌に改名)の家族と中国籍を捨ててでも、
万亀健太郎と添い遂げようと覚悟するシーンなど
語りたいことは数え切れません。
オジサンが読む漫画と毛嫌いせずに、
一度手に取ってみてください。
島耕作や中沢喜一・万亀健太郎の哀愁のあるカッコよさに、
惚れてしまいますし、
読んだ後はオジサンが好きになっちゃいますよ、
きっと!
ここまで長々と語っちゃいましたが、
これでもまだ足りないくらいです。
弘兼憲史先生の噂がまだ風化することはないでしょうが、
向かい風にも負けずに、
島耕作という男の人生を最後まで描き切ってほしいですね。
ちなみに。
2017年夏の時点では、
【島耕作の事件簿】や、
【JK大町久美子】といった読み切りに、
【学生島耕作~就活編~】。
学生 島耕作(1) (イブニングコミックス)
まだまだ【島耕作シリーズ】も、
さらなる盛り上がりを見せているので、
これからも弘兼憲史先生を応援していきましょう♪